U23サッカー日本代表 リオ五輪本番に誰が行く:ポルトガル遠征後

いよいよ落ち着いて評価出来るようになりました

AFC U-23選手権2016で熱い戦いを繰り広げ見事優勝を果たしたのが1月30日。早いもので2ヶ月が過ぎました。

戦うことを体に染み込ませ、トータルフットボールを完成させた感のある手倉森監督は、本大会に向けた18人として一体誰を連れていくのでしょうか。

最終予選の最中は調子が良かった選手、悪かった選手がいたため、評価の難しかった面もありましたが、ポルトガル遠征でみせた戦いを通じ見えてきたオリンピック本戦に望むべき選手18人を独断で綴ってみたいと思います。 

 

目 次

 

 

 

 

 

オリンピック本戦でのポジション別予想

〈GK〉本戦予想人数 1+オーバーエージ

櫛引   政敏

オーバーエイジ

----落選----

杉本 大地、牲川 歩見、中村  航輔

 

最終予選での櫛引の活躍は絶賛に値するものだったが、日本代表のゴールキーパーの質が世界に比べ低いことは否めない。メキシコ戦に出場した中村航輔ハイボール処理のレベルが低く、オリンピックで戦える選手だとは感じられなかった。

本来ならば年代が近く、ロンドン五輪を経験しキャプテンシーも強い権田修一を招集したいところだが、オーバートレーニング症候群を経て、現在は怪我でリハビリ中であることを考えると、西川周作あたりに声がかかることになるか。(いつものことながら、キーパーの評価は難しい。)

 

 

サイドバック〉本戦予想数 3

山中 亮輔 171cm

亀川 諒史 177cm

室屋 成 174cm

----落選----

松原    健 、ファンウェルメスケルケン際

 

どの選手もポテンシャルは高く将来が楽しみであるものの、今時点では室屋以外に世界レベルの選手はいない。その室屋も怪我(左足ジョーンズ骨折(第5中足骨基部骨折))により復帰が5月下旬と見込まれており、一番の穴になり得るポジションとなってしまっている。室屋が本大会までにトップコンディションを取り戻せない場合、オーバーエイジの活用が必要となるだろう。その場合、年齢、両サイド出来るユーティリティ性から、酒井高徳あたりに声がかかるかもしれない。

メキシコ戦を見た限り、ファンウェルメスケルケン際は、止まった相手にぶつかっていくシーンでの対人プレーは強いものの、スピードが不足しているため裏を取られるシーンが目立った。また、それを怖がることにより寄せが甘くなる場面も散見したため、手倉森サッカーにはハマらず、代表入りは難しいだろう。

 

 

センターバック〉本戦予想数 3

岩波 拓也 186cm

植田 直道 186cm

奈良 竜樹 180cm

元々各選手、能力の高さに定評はあったものの、最終予選を経て更に自信をつけた感がある。特に植田はメキシコ戦でのプレーも安定感抜群で、成長しないまま歳を重ねた吉田麻也に代わりA代表でレギュラーを奪う日も近いだろう。また、植田、岩波の影に隠れがちだった奈良竜樹フロンターレでのプレーは輝かしく、十分に世界と戦える選手である。

ボランチ遠藤航センターバックをこなせることから、枠は3となり、恐らく、このままのメンバーで望むことになるだろう。

 

 

〈守備的ボランチ、アンカー〉本戦予想数  2

遠藤 航 177cm

井出口 陽介   171cm

----落選----

竿 健斗

 

18人という少ない枠の中でアンカーを二人選出することは考えづらいが、アンカーもできる選手という意味では遠藤のバックアップが必要となる。

その点、三竿健人と井出口陽介の二人がその役割を果たすこととなりそうだが、3月のポルトガル遠征に三竿は選出されなかった。

彼らの実力は十分に把握しているため、他の選手を試したい

手倉森監督は、櫛引、矢島、三竿、オナイウを選出しなかった理由について、この様に述べた。個人的には三竿の高さと、ムードメーカとなれるキャラクターは想像以上に貴重だと思うが、誰がどう考えても櫛引と三竿が手倉森監督から同じ評価を得ているとは思えない。つまり、恐らく今回、三竿のオリンピック出場は難しいということだろう。

 井手口については、ガンバユース出身なのでもう少しテクニカルな部分を強みとしたプレーヤーかと思っていたが、今野や明神の様にボール奪取能力に長けた選手であり、手倉森サッカーにはハマリ易い。オーバーエイジ枠の活用もありうるかとも考えたが、遠藤航、井手口陽介の二人で望む可能性が高いのではないだろうか。

 

 

〈ゲームメーカー、インサイドハーフ〉本戦予想数 1+オーバーエージ  1

原川 力 175cm

オーバーエイジ

 

----落選----

大島 僚太

 

大島僚太のポテンシャルは高いが、今の手倉森サッカーにはどう考えてもハマらない選手である。

川崎フロンターレU23日本代表同様にディフェンス時にはハイプレスを展開している。中村憲剛大島僚太が空けてしまったスペースを突かれ、失点を招くシーンが目立つものの(湘南戦の4失点は最たるもの)、それでも風間監督が大島を起用したくなるのは、ポゼッションサッカーにおいて最も重要なパスやドリブルセンスを持ち合わせているためである。しかし残念ながら、手倉森サッカーでポゼッションは二の次である。つまり、大島が持つ「守備の穴を補う程の攻撃的センス」を披露する場面が今のU23日本代表いはない。 

本戦では、原川力に加え、オーバーエイジ1名で望むこととなるだろう。年齢的に近い清武弘嗣や、心を整える長谷部誠などが有力か。柴崎岳も噂されるが、タイプ的には大島僚太と近いことから現実味が薄い気もする。 

 

 

〈オフェンシブMF、ウィング、フォワード〉本戦予想数 4

久保 裕也 178cm

南野 拓実 174cm

中島 翔哉 164cm

浅野 拓磨 171cm

 ----落選----

矢島 慎也 、豊川 雄太、関根 貴大、野津田 岳人、鎌田 大地

 

一番の激戦区であるこのポジション。メキシコ戦ではヨーロッパ組である南野拓実久保裕也が抜け出た実力を見せた。中島翔哉も最終予選を通じ自信をつけたのか、持ち味のミドルシュートを積極的に放つなど、自分の型を見出した観がある。

広島の野津田、浦和の関根、鳥栖の鎌田大地についても選出を推す声が強く、個の能力では他の選手に劣るとは考えられない。しかし、連動した全員守備とショートカウンターを主とした攻撃が手倉森サッカーの一番の強みであることを考えると、彼らがフィットするための時間はあまりに少ない。

セリエA移籍が噂される浅野拓磨がコンディションを崩すなど特別なことが起きないかぎりは、久保、南野、中島、浅野の4名が本戦に臨むこととなるだろう。

 

 

センターフォワード〉本戦予想数 1+オーバーエージ

鈴木 武蔵   185cm

オーバーエイジ

----落選----

オナイウ 阿道、

 

献身的に戦った鈴木、オナイウ両者ともにオリンピックに連れて行ってあげたいとも思うが、世界相手に闘うためにはまだまだ物足りない。

鈴木はスピードも体の強さも持ち合わせており、化ける可能性がある選手だと個人的には思っているため、何とか活躍して欲しいとは思う。しかし、3月に全治3ヶ月の大怪我(左大腿四頭筋を肉離れ) を負ってしまった。下手をすると、本戦メンバーへの選出すら危うい状況である。

ハイプレスとショートカウンターを仕掛け続けるチームにとって、90分間走力フルパワーで闘うことは不可能であるから、「前線で体を張れる選手」の配置は本来必須だと思われる(メキシコ戦ではそういう選手がいなかったものの、交代枠の多い親善試合であるため、参考にはならない。)

従って、少なくともそういう選手が一人は選出されるだろう。それは噂どおり大迫勇也かもしれないし、手倉森サッカーに間違いなくハマる岡崎慎司かもしれない。

 

本戦に選出される18名予想選手一覧

GK

櫛引   政敏

DF

山中 亮輔 171cm

亀川 諒史 177cm

室屋 成 174cm

岩波 拓也 186cm

植田 直道 186cm

奈良 竜樹 180cm

MF

遠藤 航 177cm

井出口 陽介   171cm

原川 力 175cm

南野 拓実 174cm

中島 翔哉 164cm

FW

久保 裕也 178cm

浅野 拓磨 171cm

鈴木 武蔵   185cm

 

オーバーエイジ

西川周作

清武弘嗣

岡崎慎司

※室屋成が間に合わない場合、西川周作に代わり酒井高徳ゴールキーパーには中村を追加か。

 

落選

GK:杉本 大地、牲川 歩見、中村  航輔

DF:松原    健 、ファンウェルメスケルケン際

MF:竿 健斗、大島 僚太、矢島 慎也、豊川 雄太

FW:オナイウ 阿道

 

最後にひと言

各ポジションともに、谷間の世代なんて言うのが憚られる程の逸材が育ってきていると思います。また、オーバーエイジで呼ばれると予想した選手の逞しさを考えると本戦が非常に楽しみです。

一方、落選予想した選手たちのなかにも能力が極めて高い選手は多数います。例えば関根貴大の評価はとてつもなく高いですし、大島僚太も然りです。しかし、18枠しかない大会という特性、また残された時間内で手倉森監督の講じる戦術へフィットしなければならないという観点で考えると、落選という憂き目に合うことは避けられない様な気がします。また、豊川雄太は戦術理解が十分に進んでいますので、鈴木武蔵のコンディションが上がらなければ一部の戦術を変更のうえ選出されるという可能性もあるでしょう。

本戦までのしばらくの間、我々サポーターはオリンピックに臨むメンバー選出を妄想し、楽しむことができそうですね。

 

オリンピックと自衛隊

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