リオ五輪最終予選 決勝 韓国戦プレビュー ~韓国は大人なチームでかなり強い〜

決勝トーナメント組み合わせ
<準決勝>
カタール(A組1位) 1 : 3 韓国(C組1位)(日本時間1月27日(水) 1 :30)
日本(B組1位)   2 : 1 イラク(C組2位)(日本時間1月26日(火) 22:30)
 <3位決定戦>
カタール A組1位  1 : 2   イラク(C組2位)
<決勝>
日本 対 韓国(日本時間1月30日(土)  23:45) 
 

まずは、熱い熱い戦いだった3位決定戦の所感から

地元カタールと準決勝で日本に惜しくも敗れたイラクの戦い。イメージ的に、金満カタールと、国情が悲惨なイラクということもあり、私はイラクを応援しながら観戦しました。

印象的だったのはイラクの選手たちの体を張ったディフェンスと、先制点を奪われ体力的に苦しい中でも諦めずに闘志をむき出しに戦う姿。結果的には終盤にイラクが追いつき、互いが譲らぬ中、延長戦で得点を奪ったイラクが2対1でカタールを破り、オリンピック出場を決めました。苦しい国情のなか、イラク国民に歓喜をもたらせた彼らのガッツには大きな拍手です。感動しました。

ただ、両チームともに戦術的な粗さが目立ち個の能力(カタールの3番 ハサンやイラクの10番 アリ・ヒスニー・ファイサルはとても優れた選手でした)に頼りがちな点は、日本・韓国との大きな差。イラクがオリンピック本戦で勝ち上がることはかなり困難なのではないかなっとも思います。 

あと印象的だったことは、ピッチにビニール袋転がりすぎ。1試合通じて10袋は転がってましたよね。

 

いよいよ決勝 韓国戦。韓国は間違いなくイラクより強い

オリンピック出場を決めた両チームによる決勝。決勝なのに消化試合

いよいよ決勝戦です。オリンピック出場を決めたとはいえ、過去の国際大会のアジア予選で苦渋を舐めてきた日本代表は絶対に勝たなければいけません。一方の韓国も相変わらず政治的な思想をモチベーションに、必勝な姿勢で臨んできそう感じです。消化試合なんてとんでもない。

headlines.yahoo.co.jp

ちなみに発言の当事者FWファン・ヒチャン(ザルツブルク)は、所属チーム(南野と同じ)の事情により、決勝を前に韓国代表を離れています。

 
ところでU23韓国代表って強いの?

カタール戦を見た限り韓国代表はかなり強いです。内容的にはカタールが押している様に見えたかもしれませんが、ちょっとレベルが違いましたね。韓国の戦い方はガッチリ守り、攻撃もリスクを冒さない戦い方をしてくる大人なサッカー。押してるように見えても要所を抑えて勝ってしまう感じです。

 
 韓国の守り方

カタール戦のシステムは541でした。守る時にはディフェンスラインが5枚、中盤は4枚、2つのゾーンで綺麗なラインを作ります。ディフェンスライは割と高めに保ちますがプレッシングはどちらかというと受け身。奪いに行くというよりかは待ち受ける感じですね。16番 ファン・ギウクと8番 イ・チャンミンが中盤の狩人を務め、6番 パク・ヨンウが最終ラインを綺麗に保ちます。

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 韓国の攻め方

韓国の攻撃は、ボールを奪うと10番 リュ・スンウ、22番 クォン・チャンフンの両サイドがワイドに開き、前線のスペース(横幅)を作ります。また、6番パク・ヨンウはディフェンスラインを離れアンカーの位置に入り、ボランチ(16番と8番)は前線との距離を詰めます。

つなげる時は左サイドのパサー10番か、右サイドのドリブラー22番までボールを運びますが、少しでもプレスを受けそうになると9番(キム・ヒョン)に長いボールを蹴りこみます。

ロングボールを受けた9番は、最初に作った前線のスペース(横幅)を活かしボールを収め、同時にワイドな位置から中に入り込んでくる10番、22番にボールを落とし、ボールを受けた彼らを起点にゴールへと迫ります。

 
韓国の攻撃をまとめます
  1. ボールを奪うと、6番が最終ラインからアンカーの位置に入る。
  2. 10番と22番はワイドに開き、9番の周りにスペースを作る。
  3. 9番にロングボール。9番は「2」で生まれたスペースを活かしキープ。
  4. 10番と22番がワイドな位置から中に入り込み9番からパスを受ける。
  5. 「1」により、両ボランチは9番との距離を詰め、攻撃に厚みを持たせる。

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日本代表はどうすればいいの?

日本代表は、恐らく9番 キム・ヒョンへの対応に手を焼くことになるかと思います。ボールを収めて捌く9番を封じ込めなければ、日本はディフェンスの面だけでなく、攻撃面でも苦しくなるかと思われます。

というのも、上述のとおり韓国はプレスを受ければロングボールを蹴るという、かなり手堅いサッカーをしてきます。日本の良さである連動したプレスは、恐らく韓国のロングボールを誘発するものと思いますが、韓国の9番にロングボールを収められては日本のプレスは空回りでしかないわけで、且つ、韓国はリスクを負わずにチャンスを生み出せる状況となる訳です。となればラインに乱れが生じていない韓国の5枚並んだディフェンス陣を崩すことは、かなり難しいでしょう。

日本が勝つには9番にプレーさせないこと。攻守のキーマンは植田と岩波およびアンカーとして遠藤となるでしょう。

 

まったく当てにならない「みなケチ」の韓国戦スタメン予想

手倉森監督の玉虫色のスタメンから、スタメン予想はかなり難しいです。現状ハッキリしていることは、南野が渡欧したことと鈴木武蔵が欠場することでしょうか。

準決勝から決勝までは中3日なので、ローテーションしてくるかもしれません。はたまたガチンコ勝負のスタメンで臨んでくるかもしれません。うん、わかりませんが、ローテーションを言い訳にしてほしくないので、ガチンコスタメンで優勝してほしいと思います。 

 

みなケチのスタメン予想

FW  久保  オナイウ

MF  中島  原川 遠藤  矢島

DF  亀川 植田  岩波  室屋

GK  櫛引

スタメン予想のポイント
  • 鈴木武蔵の代わりはオナイウしかできません。
  • 南野の代わりは同じポジションの矢島になるかと。
  • 中島、植田、室屋、遠藤の出場時間がかなり長くなっています。
  • 勝ちに行くなら室屋、遠藤の代わりは現状見当たりません。
今大会の出場時間一覧

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