リオ五輪U23代表と過去の五輪チームを比較してみた【アテネ編】

U23日本代表の歴史を振り返っています。今回は2004年アテネ

リオオリンピックに向けたU2サッカー日本代表の選手たちは過去の国際大会において結果を残せず、A代表に飛び級で呼ばれる選手が少なく、Jリーグでレギュラーも掴めず試合にも出られない、小粒だ!谷間だ!と厳しい目線を送られてきました。

なぜA代表に呼ばれないのか、Jリーグのレギュラーが少ないのか。。 

いやいや、本当にA代表に呼ばれていないのか、Jリーグのレギュラーは少ないのか、歴代のオリンピック出場チームと比較してみましょう。

 

前回と同じく、リオ五輪U23日本代表選手のA代表デビュー状況と昨年度リーグ戦出場状況 

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A代表デビュー済は、遠藤航南野拓実久保裕也浅野拓磨の4名(オリンピック本番まで半年を残した時点での数字)

前年度所属チームでのレギュラーは、22名のうち10名(前年度リーグ戦で7割以上出場者をレギュラーとみなしました)

 

第三回目はアテネ五輪U23日本代表選手と比較

1996年のアトランタオリンピックでは西野朗監督のもとコーチを努め、1998年からはトルシエ監督のもとで各世代代表コーチとして日本サッカーのブレインの役割を果たしてきた山本昌邦氏が、2002年8月から、アテネ五輪を目指すU23日本代表監督となりました。(奇人トルシエとそれにストレスを溜める選手の間に立ち、選手たちを育てていく兄貴的な姿はとても印象的でしたね。)  

2002年ワールドカップ日本代表に密着した最高傑作トルシエの弱さや苦悩も映しだされています。

 

アテネ世代は、元祖「谷間の世代」と呼ばれ、当時、この世代からA代表の中心選手になる選手は誰一人出てこないものと考えられていました。前回大会のシドニー世代が怪物だっただけで、今思えば十分個性豊かな選手たちが揃っていますよね。 

アテネ大会では、GK曽ヶ端準、MF小野伸二(因みに小野は前回大会出場を怪我で逃しています。)、FW高原直泰の3名をオーバーエージ枠で出場させる予定でした。山本監督が様々な大会で苦楽を共にしてきた戦友たちです。

 

アテネオリンピックの戦績と誤算

予選最終戦までもつれた末のアジア予選突破(UAEに3-0で勝利)。苦しい戦いを勝ち抜き臨んだ本線。結果から言えば日本代表はアテネオリンピックにおいてグループリーグ突破を果たすことができませんでした。初戦のパラグアイには3-4、イタリアに2-3、ガーナに1-0の1勝2敗。

誤算だったことが2つありました。1つは高原直泰が直前に肺動脈血栓塞栓症を再発し、大会出場が叶わなかったこと。もう1つは、センターバックの能力が世界を相手にした時に、全くもって通用しなかったということでした。

DFは経験がものをいうということと、世界を相手にした時にミスをすれば、即失点に繋がるということがよく解る大会となりました。

www.youtube.com 

アテネ五輪U23日本代表選手のA代表デビュー状況と前年度リーグ戦出場状況

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谷間の世代と呼ばれ厳しい目を向けられた世代でしたが、アテネオリンピック開幕前にA代表デビューを果たしていた選手(A代表デビュー列が黄色)は、オーバーエージを除くと5名いましいた。

OA枠で参加したフェイエノールト小野伸二と、筑波大学に進学した平山相太を除く16名がJリーグのチームに所属し、2003年度のリーグ戦でレギュラー(7割以上出場とみなした)として活躍していた選手は、オーバーエージを除く15名のうち11名でした。

松井大輔大久保嘉人田中達也と、十分に攻撃陣はタレント揃いでした。また、阿部勇樹今野泰幸駒野友一といぶし銀の中盤選手に加え、闘莉王ですからね。これで谷間の世代と呼ばれてしまう、振り返ればそんな時代だった訳です。  

闘莉王 超攻撃的ディフェンダー (スポーツ・ノンフィクション)

闘莉王 超攻撃的ディフェンダー (スポーツ・ノンフィクション)

 

 

 

最後にまとめ

アテネ世代は、プロの裾野が広がりJ2でプレーする若手選手が増え始めた時代です。リオ世代と比べるとレギュラー選手はやや多く、A代表デビューについてはほぼ同数となっています。(リオ本大会までに1~2名が代表デビューを果たす可能性もありますかね)

アテネ世代】A代表デビュー15名のうち5名 レギュラー15名のうち11名

【リオ世代】A代表デビュー22名のうち4名 レギュラー22名のうち10名

 

谷間の世代と呼ばれ始めた最初の世代でしたが、数字のうえでは実績あるタレント性が揃っていたと思います。繰り返しますが前回大会の面々が怪物すぎたがための相対的な谷間の世代という感じです。

 

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