Jリーグ2016開幕 川崎フロンターレの革命5年目

5年目 いよいよ勝負どころを迎える風間監督

川崎フロンターレ風間八宏監督を迎え5年目のシーズンを迎えます。風間監督が就任した2012年と言えば、サッカー界において「ポゼッション」が重視されていた時代の末期にあったかと思います。

末期とは言うものの、今現在のサッカー界においてポゼッションが放棄されているというわけではなく、サッカーの潮流が、ボールポゼッションと速攻が融合したチーム作りに変化していったという意味です。これは、ディフェンスラインでブロックを作るディフェンシブなチームからどう得点を奪うかという課題に対して生まれた回答を体現した戦術なのだと思います。

風間監督が目指すサッカーとは 

風間監督は就任した2012年当初から、ショートパス、ポゼッションという言葉とともに、選手に対する意識改革を行ってきました。意識改革とは、狭い位置でのパス交換をリスクとは捉えないということや、(選手が持つテクニックのポテンシャルを活かすため)狭いところでも足元への縦の短いパスを通すために、受け手が体の向きを変えたり相手DFから数歩ずれることによりパスコースを作るということを選手たちに徹底してきたことです。世界の先端と同様の変化を目指した風間監督のサッカーは、当時Jリーグの革命として捉えられ大きな期待を寄せられましたが残念なことに8位、3位、6位、6位と結果につながっていません。理由は明確で、ディフェンスの脆さにあります。

風間監督の革命には足元のテクニックに長けた選手が必然的に要され、それは、センターバックやアンカーの位置に入る選手までに及びます。全てのポジションの選手に足元の能力を要求した結果、「守れる選手の割合」が減ってしまうところが今の日本サッカーの限界なのかもしれませんが、川崎フロンターレのフロントと風間監督は信念を曲げず、今年度を迎えています。 

 

フロンターレが行った選手補強のポイント

今年のフロンターレが行った補強は決して派手なものではありませんでしたが、限られた予算の中で風間監督の意向を十分に汲んだものであり、チームが一丸になっているということが伝わってくるものでした。

韓国代表GKのチョン・ソンリョンンは体格に恵まれた安定感抜群の守護神。今季一番意義のある補強と言えるかもしれません。

センターバックには対人プレーに強みを持ち、足元の技術もソツがないU23日本代表の奈良竜樹

インサイドハーフの位置にはリオオリンピック予選のU23日本代表で注目を浴びた原川力

大久保嘉人のバックアップとしてセリエAでも活躍した森本貴幸(まだ27歳ですって)。

攻守ともにハイレベルな水準にあり、アンカー、センターバックもこなせるエドゥアルド・ネット(癒し顔)。

今季の補強により、フロンターレにおける上述の「守れる選手」の割合は劇的に向上したかと思います。特に、原川、エドゥアルドは共に風間サッカーにハマる足元の能力を持ち、且つ平均水準以上に守れる選手ですので、ポジションの被るフロンターレの代名詞となりえる10番大島僚太(イケメン)にとって今季は大きな勝負どころだと言えるでしょう。

果たして彼はリオオリンピックに出場できるのでしょうか。

大島僚太とU23日本代表の間に一体 なにが起きたのか Vol.1 - the foot

 

優勝を狙える戦力が整ったかと思います

現有戦力では、センターバック谷口彰悟(イケメン)、武岡優斗は共に足元の能力に長けた元来攻撃的な選手です(高さはありませんが、実に風間サッカーらしいチョイスで面白いですね)。エウシーニョは、昨シーズンサイドバックながら8得点を取る攻撃的サイドバック。左ウィングに入る中野嘉大はパスサッカーにアクセントをもたらすドリブラーであり、近い将来代表も望めるポテンシャルを持つレフティ(推定年俸650万とは安い)。

今さら語る必要もない中村憲剛大久保嘉人を中心に今シーズンは十分優勝も見えていると思います。スペシャルではなかったけれど、十分な実のある補強は行われました。一体どれだけディフェンスを頑張れるのか、そこが優勝のポイントだと捉えつつ、今季のフロンターレの風間サッカーに僕は注目したいと思っています。 

 

 

 

川崎フロンターレあるある2

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